夕日と自分

作品サイズ:タテ469 ヨコ625㍉
色数   :43色
ステッチ数:1105480
写真撮影 :樋口裕子

今作品も京都府八幡市にある背割堤地区にて撮影した写真を題材にしました。
前作、『背割堤から見た夕日』で表現できなかった部分をどう改善するかを主なテーマにして作成した実験的な作品でもあります。

光の当たり方による色差を表現できるような糸選びを心がけたのですが、前作以上のクオリティは出せたのかなあと思っています。
しかし、色使いに力を注いだ一方で自分の顔の色と表現については甘くなったと考えています。

普段、顔のフォト刺繍を作成する時は、顔の部分だけ刺繍データから分離して編集する方法を採用する場合が多いです。色合いなども背景とは別に独立した色パターンを作って表現することになるのでより繊細な作品づくりが可能になります。しかし、今回は逆光で影になっていることから特別な編集を行わずにそのまま作りました。

顔を分離するメリットは背景とは違うオリジナルの色合いで糸を選ぶことができ、繊細な表現が可能になります。
しかし、その分糸の選び方、データ編集が複雑になり、時間もかかります。


本作品の主役は夕日で人物(私)は脇役なので空と背景に力を集中した作り方になってしまいました。所期の目的は達したのですが、この作品を最初に見る時に何処を見るのか。それを考慮するとやはり人物になってしまうのではないか。
そう考えた場合、もう少し人物には力を入れるべきだったのではないか。
『夕日と自分』はそんなことを考えてしまう作品です。

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