真似のできない作り方を考えてみました。

34

こんにちは。こんばんは。フォト刺繍クリエーターの樋口大(ひぐちだい)です。
4月24日(土)〜5月9日(日)京都府八幡市にある『さくらであい館』にて『春のフォト刺繍展』が開催されます。ご興味ございましたら、是非、足をお運び下さい。

今回のテーマは【真似のできない作り方を考えてみる】です。
フォト刺繍は刺繍ソフトで変換した後、刺繍機で縫うので技術的なフォーマット(糸リスト、糸、素材、刺繍機)が一緒の場合、同じものを作ることができます。

タジマ刺繍機に最適な作成方法を模索していた当時は誰でも同じものが作れる様になる事は重要な事だったのですが、できるようになってしまうと、「作り手ごとの個性はどのようにして表現したら良いのだろうか?」
と考える様になりました。

フォト刺繍のクォリティを上げるために、私が考案した、お世辞にも簡単とは言えない方法をお客様や関心を持ってくださった方に説明していくうちに、自分自身のオリジナリティはどうやって表現したらいいのだろうと考える様になったのです。

作る順番を変えてみた

そこで私が考えたのは、作る順番を変えることでした。
細かく説明すると長くなるのですが、簡単に言うとソフトに色を選んでもらうのではなく、最初に使う糸を選び、次に刺繍データを作るという方法です。

つまり、ソフトが写真を見て選んでくれていた色を自分で選ぶという事です。

実は上の2作品は先に糸を選択し、選択した糸だけの色情報を刺しゅうPRO、DG16に登録した後、刺繍データを作成し、刺繍機で作ったモノです。

この方法で私がとても気に入っているところは使いたい色の糸を完全に自分でコントロールできる点です。
例えば、桜のフォト刺繍を作る時などが顕著なのですが、ソフトに任せて糸を選ばせると私がイメージしていない薄紫系の色合いを選択する場合があります。

この様な時、初めから使う色の糸を決めておくとイメージと違う色合いに悩まされることはありません。

しかしこの方法にも問題はあります。
例えば1〜50色まで先に糸を決めてからソフトにデータ変換させるのですが、自分が計算した通りにステッチの変換をしてくれないことがありました。

もう一つ、最大の問題は目に大きな負担がかかります。
去年2作品を作りましたが、3作目に取り掛かった時に眼精疲労から頭痛になり、パソコンの画面を見ると気持ち悪くなるといった状態になりました。

何もそこまでしなくても・・・と自分自身考えないではないのですが、従来のやり方でフォト刺繍を作っても糸は自分で選んでいます。それなら、糸だけでなく色も一緒に選んだ方が雑味がない分スッキリとしたクリアな作品に仕上がる上に、真似のできない独特な表現でフォト刺繍を作れるのではないか。
そんなことを考えながら、次の作品の準備をしています。

関連記事