ダイヤモンドヘッド
ハワイシリーズ第2弾、『ダイアモンドヘッド』。ハワイらしい色合いをどのように表現するか。明るさ、色合い、雰囲気がとても大事だと考えて空と海に使用する糸を慎重に選びました。明るさ、色、雰囲気、全て上手くできたと思います。風景のフォト刺しゅうでは空の色と雲の表現を特に大切にしています。雲一つない青空を表現することもありますが、その場合は今回の作品のように雲がある場合よりも糸の選択に悩みます。今私が使用している刺繍糸は青系の色だけでもかなり沢山の種類がありますが、空に使用できる糸となるとかなり限られます。空といっても今回の作品のように夏を表現するための糸と、冬を表現する場合では違う色の糸を使用することになるので、そうなると更に使用できる糸は限定されます。従って、雲一つない青空はどうしても単調になってしまいます。
ところで、作品の明るさ、色合い、雰囲気については自分でも納得できる作品が作れるようになってきましたが、不満な点もあります。フォト刺しゅうは糸を縫ってできあがります。この『縫い』に関してはかなり不満を持つようになりました。今回の作品も全体的な縫いのレベルとしては決して満足のいくものではありません。フォト刺しゅうは刺繍作品です。刺繍としての美しさも併せ持つことが真の完成といえるのではないでしょうか。今後の課題は作品の表現力は当然ですが、刺繍作品としての美しさも追及していきたいと考えています。