階段を登る人
『階段を登る人』総ステッチ数98万針を超える作品ですが、制作開始から10日足らず、実際に要した日数は約6日くらいで完成しました。モデルとなって階段を上ってる人物は今は亡き私の父の後ろ姿です。長年抱えた病魔がいよいよ牙をむき出し始めた頃の画像で、珍しく日の明るいうちに帰宅したある日の夕方に何気に撮影した画像をつかってフォト刺繍を作成しました。さて表現上、今回私が最も気を遣った部分はカバン。光を反射している部分をどのように糸で表現するのかが大きなテーマでした。結果からいうと、データー作成時にカバンの部分だけ分離して配色した方が良かったと思っています。全体的なことをお話すると色合わせもほぼイメージ通りにできました。ただ、最近の私の作品は元画像を忠実に再現すること以上に、自分のイメージを優先しています。今後もこのスタイルは変わらないと思います。