フォトステッチ ―『弘前城』― 作成開始とTBFフォーマットについて 

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現存12天守、『弘前城』のフォトステッチデーターが完成しました。

サイズ よこ550㍉ たて400㍉。

針数  807100針。

色数  編集前 41色  編集後 31色。

いよいよ現存12天守シリーズ、12作目『弘前城』の作成を開始します。

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この画像は完成予想図。なかなかリアルな仕上がりです。普通はこのまま刺繍するのですが、もうひと手間かけます。

 

 

 

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DG/ML by PULSEでフォトステッチデーターを編集してTBFフォーマットに変換します。

 

【データー入力が簡単になるTBFフォーマット】

TBFは1~15色目までが刺繍機の針棒と対応しており、それぞれの配色をこの1~15の色に設定すると、

刺繍機でデーター入力をする時に、1色目は1針目、15色目は15針目といったように割り当てられた数字と同じ

針棒で縫うことが可能になります。

簡単にいうと、刺繍機でデーター入力したあと針棒選択をする必要がなくなります。

通常使用するDSTフォーマットの場合、データー入力した後に針棒選択を必ずしなければなりませんので、

TBFフォーマットでデーター入力することで針棒選択の作業を短縮することができるようになるのです。

 

例えば、今回の『弘前城』の場合は編集後でも31色使用することになります。

この場合DSTフォーマットでデーター入力すると針棒選択を刺繍機の前で31回行わなければなりません。

しかし、TBFフォーマットならデーター作成時に各色設定しておけば刺繍機へのデーター入力時に

針棒選択作業は必要なくなります。

 

TBFフォーマットを実際に使ってみると大変便利だなあと感じます。

しかし、TBFフォーマットを使用する時には注意点があります。

 

 

【設定した番号(色)と同じ針棒に必要な糸が立っているわけではない。】

データー作成時に使用する針棒をあからじめ設定することができるTBFフォーマットですが、

せっかく5番の針棒を使おうと、5番目の色に設定しても刺繍機の5番の針棒に使用したい糸が立って

なければ台無しになってしまいます。

「3番の色は白い色で刺繍しよう」と思って設定しても刺繍機の3番目の針棒に黒い糸がセットされて

いたら意味がありませんよね。

ですから仕事の切り替えが多くて糸も頻繁に交換するような仕事をする場合にはデーター作成時に設定した

色(=針棒)に使用する糸が立っているか確認する必要があります。

 

 

【TBFはフォトステッチと相性が良いと思っています。】

データー作成をしながら針棒設定もできるTBFフォーマットはあからじめ指定された糸を順番に立てていく

フォトステッチには合っていると思います。

DG/ML by Pulseの画像のように、使用する刺繍機の針数によって、例えば刺繍機が15針なら1~15までの

色に変更していくだけで 実際に刺繍するときにその糸が何番の針棒で刺繍するのかが決まっていきます。

こうしてデーターを作成しておけばあとは指示書に従って順番に糸を立てていくだけです。

 

 

さて、現存12天守 『弘前城』の作成はいよいよ始まります。これが完成すると現存12天守すべてを

フォトステッチで表現するしたことになります。フォトステッチも通常の刺繍同様に大変奥の深い世界で、

作れば作った分だけ新しい発見があります。

『弘前城』は現存12天守シリーズの集大成なので頑張っていこうと思います。

 

 

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