フォト刺繍ができるまで2023年バージョン

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2020年3月に「フォト刺繍ができるまで」という記事を書いたのですが、3年経って当時と違いがあるのか、現在の私はフォト刺繍についてどのように考えているかを今回は記事にしようと思います。

基本的には同じだが、画像編集とデータ編集の重要度は上がっている。

フォト刺繍の作成方法は現在も2020年当時と変わっていません。
1.画像を編集する。
2.刺しゅうPro 11(当時は10バージョン)で画像を変換し、フォト刺繍の基礎データを作る。  
3.タジマ DG16で基礎データを読み込ませ、編集作業をする。
4.糸を選ぶ。
5.刺繍する。

1.画像編集で作品のイメージを作り出す
以前は画像編集にあまり重きを置いていませんでした。画像をできるだけ忠実に再現するのであれば過度な編集は必要ないという考え方は今も変わっていませんが、作品としてフォト刺繍を作る場合は何を表現したいのか、テーマを決めてから制作に取り掛かるようになりました。そのため、自分が強調したい部分などについてはかなり画像編集しています。

2.刺しゅうプロの役割は画像をステッチの画像に変換するだけ。
私のフォト刺繍において刺しゅうプロが果たす役割は画像をステッチのデータに変換してもらうことです。
現在ではDG16にもフォトステッチ機能は搭載されていますが、私がフォト刺繍を始めた10年位前はDG16にはフォトステッチ機能はありませんでした。そこでステッチの生成は刺しゅうプロに任せ、細かな編集はDG16で行う私独自のフォト刺繍作成方法が誕生しました。両方のソフトで使用する糸リストは完全にリンクさせたものでないと使えません。以前の記事でも記載していますが、私は刺しゅうプロに約3000色、DG16にも同様の色情報を糸リストとして作成してフォト刺繍のデータを作っています。

3.DG16を使ってステッチ編集
3年前の記事ではステッチ編集については簡単に説明しているだけですが、今回はもう少し詳しく説明します。
フォト刺繍は画像を最大50色に分割したステッチ群で作られています。
私はタジマDG16を使いこのステッチ群の中にある無駄と思われる部分をすべて削除しています。
これ以外にも、構成上、明らかに色違いであると思われるステッチ群の分離・合成を行っています。
例えば、人物の刺繍を作る場合、肌に関係するステッチと背景のステッチを切り分け、再構築します。
また、極端にステッチ数の少ない色も削除、または類似する別のステッチ群と合成します。
このステッチの編集はまだまだ課題がたくさんあります。どのステッチを削除し、どのステッチを残すのか。
あるいは追加するのかなど、作り手の感性が最も発揮される部分でもあります。
2020年以降に作った私のフォト刺繍作品は、ステッチ編集なしでは表現できない部分が多々あります。

4.糸の色選び
私を含めてほとんどの人が糸の色選びでは悩み、苦しんでいるのではないでしょうか。
糸を選ぶときは題材となった画像の色合い、刺繍データの色合いを見ながら選んでいきます。
基本的に画像の色と糸の色が一致することはありません。どの色の糸を選ぶのかは作者の色彩感覚に頼った方が良いというのが私の考えですが、自分のイメージ通りに糸を選ぶためには慣れと、経験が必要です。

5.刺繍する
1~4の工程を経て、ようやく刺繍するのですが、刺繍機は何でも同じと考えている人が多いのではないでしょうか?
ステッチは各刺繍機メーカーで異なっていることをご存じでしょうか?これを「風合い」と言ったりするのですが、針が生地に刺さって、次の場所に刺さるまでの糸の掛かり方には各刺繍機メーカーさんで特徴があります。
ここでいう風合いとは糸調子で締まった刺繍にしたり、やわらかな刺繍にしたりすることではありません。
その刺繍機がもともと持っているオリジナルの風合いのことです。
私はタジマ刺繍機のディーラーなので選択の余地なくタジマ刺繍機を使用しています。
タジマ刺繍機の風合いというと、クリアな縫いあがりが特徴で、他の刺繍機をお使いのお客様がタジマ刺繍機の仕上がりをみると、すっきりしたクリアな縫いあがりに驚かれます。
私個人的にはフォト刺繍をされる方はみんなタジマ刺繍機をお使いいただいた方が良いと考えていますが、このブログ記事の趣旨としてはフォト刺繍の仕上がりに、刺繍機が与える影響はかなり大きいということが一番に知ってもらいたいことです。

さて、ここまで記事を読まれた方、いかがだったでしょうか。
ここに書いた内容もわからないことが多いと思います。10年以上、実践し続けて現在に至っているので私のつたない文章では書ききれない部分も多いです。ただ、これからフォト刺繍を始めたい人に少しは役に立つと思いますので、参考にしていただければと思います。

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