これまで私が作った建造物のフォトステッチは被写体が1つもしくは2つくらい。背景は青空。という好条件の元で撮影された画像を元にしたものばかりだったのですが、今回のフォトステッチは建造物には違いありませんが、複数個の建造物。そして、夕暮れ時に撮影された画像を元に作成するなど、初めての状況ばかり。配色に関しても初めての色合いということもあって「大体この色で合ってくる」といったカンも働かないので完成するまでどうなるのかは分かりません。
私はできるだけ写実的に表現することを心がけてきました。上手く作ればフォトステッチは本当に写実的な表現ができますし、「写真みたいですね。」と言われると大変うれしいです。しかし、その一方で刺繍がもっている「暖かさ」みたいなものは息を潜めてしまうことも否定できません。わざわざ刺繍で表現する理由は何なのか。手間暇かけて作品を作りながら自問自答しています。
さて、今回の作品は夕暮れの淀川と大阪の街並みをフォトステッチで表現していきます。ステッチと糸で表現する中に画像を通して私が感じた色彩の世界を表現しようと思います。