色合わせで苦しむ。想像力で作る。

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フォト刺繍を作るクリエーターはみんなどうやって色を合わせるのかで苦しんでいます。ソフトウェアが画像を刺繍のデータに変換してくれて、設定次第で必要な糸まで教えてくれるのですが、異口同音に、「色が合わない」と言うのです。もちろん、私もその中のひとりです。そこで今回は何故フォト刺繍では多くの人が「色が合わない」というのかを考察して見ましょう。

現在データ作成中の富士山の作品。実際の画像と刺繍データにした画像を並べて見ましょう。

左が今回のフォト刺繍作品の元になる画像。右が刺しゅうPROで変換したものをDG 16に読み込ませて表示させたものです。
この刺繍データは50色で構成されています。左の画像を50色で分割したら右の画像のようになります。

そして、これがDG16のワークスペースも表示させた全体像です。右に様々な色とその中に文字が表示されています。ここには本来、色の名前や使用する糸の番号などが表示されたりするのですが、今回ここに表示されているのは色の登録番号になっています。

フォト刺繍はある意味、ぬり絵と一緒で右に表示された色と同じ色の糸を使えば真ん中に映し出されている画像(今回は富士山)を刺繍することができます。簡単ですね!

しかし、実際には色の調和が取れず、画像と同じようにできない。全体的に暗くなってしまうなど、イメージした通りにできないのです。

こうした現象を軽減し、少なくするために私が思いつく方法は2つあります。一つは、糸リストの色と、実際の糸の色差を徹底的になくす。テスト方法も四角か丸の畳縫いデータを作成し、刺繍した時の色と、糸リストの誤差を少なくしていきます。最適だと思う色合いになったところで糸リストに登録する。2つ目は画面に表示されている色と同等に感じる糸を所有している糸から選ぶ。

現在、私は2つ目の方法でフォト刺繍作品を作っています。最初は1の方法で色情報と糸番号を固定化してやって見たのですが、うまく合わせることができませんでした。そこで糸の固定化はあきらめ、むしろフリーにすることで作品ごとの色の調和を重視するようになりました。

この方法が簡単なのか、難しいのか。私自身は「簡単じゃない。でも難しくはない。」と考えています。確かに初めてこの方法でフォト刺繍に取り組んだときは何十色も選べなかったし、一色選ぶのに数時間かかったこともあります。しかし続けていくうちに慣れてきますし、自分なりの糸選びの法則みたいなものも出来てきます。

想像力を働かせて糸を選んでいくことで画像よりフォト刺繍の方が断然良いと思ってもらえるものを作ることが私の目標です。この作品がそうなるように頑張ります。

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