金銀糸再び

17

もう、10月も終わり令和3年(2021)もあっという間に過ぎていくなあと実感する季節になりましたね。
実感するというと、私もフォト刺繍クリエーターとして令和4年(2022)は飛躍の年になると実感しています。
2年前から地元のイベントでフォト刺繍展を開催してもらったり、個展を開催してきましたが、来年はこれまでの活動以外にも、東京のアートフェアに作品を出展するのを皮切りに、海外でも作品を紹介してもらったり、アート関係の書籍に私の作品を掲載してもらうなど、これまでにない1年になりそうです。

こうしたアートイベントの中には当然費用のかかるイベントもあるのですが、個展をやっても費用がかかるので私の中ではできる範囲でお金も使って活動できたら良いのかなと考えています。(因みに、私は今年と、来年のお小遣いを使い果たしてしまいました。>_< )

さて、今回は来年出版予定のアート関係の専門書に掲載するための作品を作るのですが、過去に特別な依頼を頂いて作成した『金閣寺』のリメイクです。この作品は私にとって2つの意味で特別です。

ひとつはこの作品は依頼者の希望もあって使用した糸の情報が残っていたこと。
私の作品は刺繍ソフトでデータを作り、刺しゅうミシン(刺繍機)で作品を作っているにも関わらず、リメイクができません。
自分で使った糸の情報を記録していないからです。ですから、リメイクするとしてもデータから作り直しになります。
しかし、この作品は使用した糸の情報が残っているので完全なリメイクが可能です。

もうひとつは金銀糸を使っていることです。
フォト刺繍を作ったことのある人の中で金銀糸を使って作品を作ったことのあるのは世界中探しても私だけだと思います。
金銀糸は着物や家紋、名入れなどに使用されますが、単色で使う場合がほとんどなのと、金銀糸をグラデーションさせることなど誰も考えたことがないと思います。

完全にリメイクできることが分かって良かったのですが、新しく作るのですから前作と全く同じでは面白くありません。
そこで、金閣寺で使っている金銀糸を大幅に見直して新しい配色で作ってみることにしました。
今回の金閣寺は前作よりも細かな表現ができるのではと期待しています。

関連記事